サッカーでは点をとるフォワードが花形で、みんなプロのプレーを見て憧れたり真似したり点を取ることが楽しいと思います。
そんな中で点を取れる確率が低いディフェンスのポジションやゴールを守るキーパーというポジションもあります。
昔はうまい子を前線に置いて、そうでない子をディフェンダー、キーパーにするみたいな考え方が一定数ありましたが、今は時代が変わりどのポジションもディフェンスが重要で点を取れるだけではうまい子ではないです。
今回はディフェンスの重要性とどうしたら良いディフェンスができるのかを紹介していきます。
スタメンになりたいならディフェンス力は必須。チームが勝てるプレーを身につけよう
試合で勝てるような、ありとあらゆるプレーを沢山できる子がスタメンに近づきます。
8人制サッカーは子ども一人ひとりのプレー時間を増やし経験を増やすことが目的で2011年から導入されました。
11人制と比べ、一人ひとりにスペースがあり、時間があり、ボールに関われる確率も高くなったということです。
つまり、試合を通してチームが勝つ為のプレーをし続ける選手が良い選手ということになってきます。
現代サッカーはキーパーから繋いでビルドアップするのでディフェンス力が重要
現代サッカーではキーパーからディフェンダー、そしてミッドフィールダーへとパスを繋げていくのが主流です。
とりあえず相手陣地に放り込んで、どちらのボールになるか分からない運勝負みたいなことはせず、しっかりとマイボールを維持して相手陣地に入っていく為です。
J下部やクラブチーム、強豪チームなど意識が高い将来を見ているチームは小学生の年代からボールを繋ぐことを実践しています。
難しい事をやっているので、キーパーからのパスをカットされてそのままゴールみたいな事も起きます。
強豪チームに勝った、負けたなど噂話をするかもしれませんが、将来を見ているチームほどリスクを負って今勝つ事を我慢しているので、単純に強い弱いみたいな話はあまり意味が無いかもしれません。
ポンポン蹴り合いのサッカーをしていたらディフェンスとはディフェンダーが跳ね返すものになってしまいますが、現代サッカー基準で考えると相手がビルドアップしてくるのに対して対応するディフェンス力が全員必要なのです。
フォワードは最初のディフェンダー
現代サッカーではフォワードにもディフェンス力が求められます。
カタールワールドカップでは日本代表の前田選手がスタメンでした。驚異的なスピードでのプレスと、スプリントを繰り返せるスタミナが特長の選手です。
バロンドールを取ったベンゼマ選手も前線からのプレスが上手い選手です。良いフォワードの選手はディフェンス力があって、点も取るのです。
なぜフォワードにディフェンス力が必要なのか
キーパーからのビルドアップに対応する1人目の選手です。ここの対応次第でゲームの流れが変わってきます。フォワードのディフェンスの仕事は大きく2つです。
1、ボールを奪ってショートカウンター
なるべく相手陣地の深いところで奪ってしまって、そのままゴールを目指す考え方です。
少し古い話ですが、リバプールが採用していたゲーゲンプレスのようにフォワードのマネ選手やサラー選手が相手のディフェンスラインに強烈にプレスをかけて、更にミッドフィールダーもフォワードに連携して局地的な数的優位でボールを奪ってしまうのです。
フォワードもミッドフィールダーも相手陣地内でボールを奪えるディフェンス力や走力が求められます。
2、攻撃の限定をさせる
広いグラウンドにまんべんなくポジションを取ると、人と人の間にスペースが生まれてしまって、守るのが難しくなってきます。なのでなるべく陣形をコンパクトにしてボールに対して多い人数で守りたいものです。
フォワードはグラウンドの左右どちらかのサイド、更には次のパスの出し先までを限定させることで、パスが出た先で仲間がボールを奪うチーム戦術のスタートの仕事をします。
相手を誘導するディフェンス力と実行する走力が必要です。
ミッドフィールダーは、ほぼディフェンダー
フォワードと同じくミッドフィールダーもディフェンス力が重要です。むしろチームの戦術によっては、ほぼディフェンダーの仕事をする時もあります。
カタールワールドカップでは、三苫選手がウイングバックのポジションで相手選手を止めるディフェンスが評価されていました。
また、ボランチの選手が守備的なのか攻撃的なのかでチームの戦術が変わってきます。
カタールワールドカップではどちらかというと守備的なボランチをスタメンにしていました。
なぜミッドフィールダーにディフェンス力が必要なのか
フォワードと同じく現代サッカーではミッドフィールダーに求められる仕事が多いです。柴崎選手がワールドカップに出場できなかった理由の一つと言われています。
1、組織的にボールを奪う
フォワードで説明しましたが、チームの戦術として連携してボールを奪いにいきます。実行できる戦術理解とディフェンス力が必要です。
2、ポジションをスライドするなどポリバレントな選手が求められている
先ほどの三苫選手のようにチームの戦術のよって違う仕事ができる能力があった方が良いです。
また、守備をしっかりする為にポジションをスライドさせて陣形を維持させるものです。
- サイドバックが吊り出されたら代わりにミッドフィールダーがスペースを埋める
- センターバックがサイドに流れたらボランチがセンターバックの位置に降りる
- セットプレーなどでディフェンダーが上がっている時は代わりにミッドフィールダーが下がる
など、ディフェンス力が求められる場面が意外とあるものです。スタメンを目指すのであればディフェンダーの代わりになれるぐらいディフェンス力があると良いでしょう。
ディフェンス力をあげる為には
1対1の練習にこだわるのと、ゲーム中に学ぶ姿勢が重要になってくると思います。まずはチームの為に走ってゴールを守る意識付けからでしょうか。
ディフェンスのコツ
1、足を出さない
ボールが取れると思って足先で突っつくような体勢になると、触れなかった時に体が動かない状況になり抜かれてしまいます。
まずは相手の前に立ち続けることからはじめましょう。
2、相手についていく
相手の前に立ちパスやシュートコースの壁になりましょう。ボールを奪うことより、邪魔をし続けるイメージです。
3、首を振ってまわりを見る
今自分が何をすべきなのか考えて判断する為にも、まずは見ることからはじめましょう。
この3点をできるようになれば、ディフェンスができている側の選手になれると思います。
本当にうまいディフェンスは、突っ込む、当たる、足を出す
先ほどと真逆の事を言っていますが、本当にうまい選手は相手からボールを奪います。
先ほどのディフェンスは相手の邪魔をしていますが奪う行動をしていません。
- 仲間がパスカットをしてくれる
- 相手がミスしてくれる
- 相手がシュートを外してくれる
- 相手のシュートをキーパーが止めてくれる
これらのように、相手からボールを奪うタイミングが待ちの姿勢なのです。
小学校低学年であればそれほど精度が高いプレーでないので、相手からボールを奪えるチャンスが起きやすいですが、高学年になるとそのまま前進されてゴールを奪われるかもしれません。
相手からボールを奪えるディフェンス力がある選手が評価されるのではないでしょうか。
まとめ
ディフェンスが好きじゃない、点を取ることだけ考えたいなど、ディフェンスをしたくないという気持ちが問題という子には、是非そのディフェンスに対しての考え方から変わっていって欲しいです。
ゲーゲンプレスのように良いディフェンスができれば、いっきに得点チャンスになります。良い攻撃は良いディフェンスからなのです。
スタメンになりたい、点をたくさん取りたいという子はディフェンス力をあげてみてはいかがでしょうか。
自発的にディフェンスの意識を持って行動できる子になっていくには、ディフェンスの重要性を子どもにうまく伝えるサポートを保護者がしていきましょう。